パンテオン(Pantheon)は、イタリアの首都ローマにある古代の建築物であり、世界的に有名な観光名所です。正式名称は「マグナ・マテル・デウム(Magna Mater Deorum)」であり、ラテン語で「神々の偉大な母」という意味です。 パンテオンは紀元前27年から紀元25年にかけて、ローマ帝国の最初の皇帝であるアウグストゥスの時代に建設されました。しかし、現在の建物はパンテオンの初期の建築物が火災で焼失した後、紀元125年から128年にかけて再建されたものです。再建はローマ皇帝ハドリアヌスによって指揮され、その後の修復や改築が行われました。
パンテオンは古代ローマの建築の傑作とされており、その特徴的な円形の建物とドームが印象的です。ドームは建築当時の革新的な工学技術を駆使して建設されました。パンテオンのドームは直径43.3メートル(142フィート)であり、円形のオクルス(開口部)を持っています。このオクルスは自然光を内部に導入し、内部空間を照らす役割を果たしています。 パンテオンの内部には豪華な装飾が施されており、床には多彩な大理石が敷かれ、壁面には壮麗な彫刻が飾られています。また、パンテオンは古代ローマの神々に捧げられた神殿として使用されており、その名前も「神々の聖堂」という意味を持っています。 現在、パンテオンは観光名所として一般に公開されており、多くの観光客が訪れます。また、パンテオンは現在も宗教的な意味を持ち、カトリック教会の重要な祭りや行事が行われる場所でもあります。その美しさと歴史的な価値から、パンテオンはローマの象徴的な建築物の一つとして広く知られています。
パンテオンの歴史について
パンテオンは、ローマにある建物で、紀元前27年に政治家マルクス・ヴィプサニウス・アグリッパによって着工され、おそらくは通常の古典的な神殿の形式である長方形で、すべての側面にコロネードで支えられた切妻屋根の建物として始まった。それは紀元118年から128年の間に皇帝ハドリアヌスによって完全に再建され、3世紀初頭には皇帝セプティミウス・セウェルスとカラカラによっていくつかの変更が加えられました。それはコンクリートで覆われたレンガの円形の建物であり、壁から立ち上がる大きなコンクリートのドームと、コリント式の柱で支えられた前部のポーチがあり、三角形のペディメントがある切妻屋根があります。ポーチの下には、このタイプの大きな例として知られる最も初期のものである、高さ7メートル(24フィート)の巨大な青銅の二重扉があります。
パンテオンはそのサイズ、建設、デザインの点で注目に値します。現代まで、ドームは直径約43メートル(142フィート)、ベースから高さ22メートル(71フィート)に達し、建設された中で最も大きなものでした。ドーム内部にはレンガのアーチサポートの外部証拠はなく、建設方法は正確にはわかっていません。ただし、その成功に寄与した2つの要因があります。コンクリートに使用されたモルタルの優れた品質と、建物の基礎および壁の下部から始まる重い玄武岩から、レンガや火山灰から形成された石材であるチューファまでの骨材の注意深い選択とグレード付けです。さらに、外部から見た壁のドラムの上部の3分の1が、内部から見たドームの下部と一致し、内部のレンガのアーチで推力を抑えるのに役立っています。ドラム自体は、20フィート(6メートル)厚い壁の内側に互いに設置された巨大なレンガのアーチと支柱で強化されています。
ポーチは従来のデザインですが、建物の本体は巨大な円形の空間であり、ドームの中央にある直径8メートル(27フィート)の「眼」またはオクルスから洪水のように流れ込む光だけで照らされていました。これはおそらく、外部ではなく内部を重視して設計された古代のいくつかの偉大な建物の最初のものである可能性があります。外観の平凡さに対照的に、建物の内部は色付きの大理石で覆われ、七つの深いくぼみがあり、その中にある巨大な円形の空間の膨大さを示す控えめなサイズの柱でスクリーンが設けられています。おそらくセウェルスの時代には、天井には長方形のコーファ、またはくぼみが切られ、青銅のバラの飾りとモールディングで飾られています。
パンテオンは、609年に聖母マリア・ロトンダ教会またはサンタ・マリア・アド・マルティレスとして奉納され、今日までその名前で残っています。時間の経過とともに、天井の青銅のバラやモールディング、その他の青銅の装飾が失われ、ルネサンス後期にはドームの真下に直接スタッコの飾りが施されました。それ以外に、建物は完全にその元の形で残っています。この構造はルネサンス以来、建築家にとって持続的なインスピレーションの源となっています。
パンテオン付近の観光地
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ナヴォーナ広場 パンテオンから徒歩10分ほどの場所にある広場です。ベルニーニ作の「四大河の噴水」をはじめ、3つの噴水が並ぶ、ローマを代表する広場のひとつです。広場には、カフェやレストランもたくさんあり、休憩や食事を楽しむのに最適です。
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トレビの泉 ナヴォーナ広場から徒歩5分ほどの場所にある噴水です。後ろ向きにコインを投げると、恋が叶うという言い伝えがあり、世界中から多くの観光客が訪れます。
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フォロ・ロマーノ パンテオンから徒歩15分ほどの場所にある、古代ローマの中心地跡です。コロッセオやフォロ・ロマーノ、パラティーノの丘など、古代ローマの遺跡が数多く残されています
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