ヤシ

ルーマニア北東部の都市、ヤシは、モルダヴィア平野のプルート川とバルイ川の合流点付近に位置しています。モルドバとの国境からは西へ13キロメートル、ブカレストからは北東へ320キロメートルの距離にあります。

この場所には7世紀にはすでに定住地がありました。都市は14世紀後半から15世紀初めに、プルート渓谷沿いの交易路にある要塞化された税関として、ドイツ語の名前（おそらくクマン族の弓兵から）を付けられました。15世紀半ばには、モルダヴィアの公爵の居城となりました。ローマニアの公国が統一される1859年までの1564年まで、モルドバの首都でした。

ヤシはトルコ人、タタール人、ポーランド人に何度も襲撃され、一度は全焼し、1734年には疫病に苦しめられましたが、それでも文化と経済の中心地として繁栄しました。1640年にはヴァシレ・ルプがビザンティン教会の三人の聖人の教会（1635年から1639年に建造）に学校を設立し、印刷所を設立しました。ここからモルダヴィアで最初の書籍が印刷されました。

その他の歴史的建造物には、アレクサンドル・ヨアン・クザ大学（1860年創立）、15世紀にステファン大帝によって建てられた聖ニコラス教会、ヴァシレ・アレクサンドリ国立劇場（1896年）、そして華やかなネオ・ゴシック様式の文化宮殿（1920年代に完成）が含まれます。市内にはいくつかの教育機関や研究所があり、ルーマニア学士院の支部もあります。主要な産業部門は食品・飲料、化学、冶金、製薬です。人口（2007年推計）は315,214人です。