バルト海に面したリトアニアの西端、「ニダ(Nida)」は、自然美と文化が見事に調和した小さなリゾートタウンです。クルシュー砂州(Curonian Spit)という世界遺産に登録された細長い砂洲の南端に位置し、自然愛好家や静かな休暇を求める旅行者にとって理想的な場所です。
ニダの特徴
圧倒的な自然景観 クルシュー砂州は、海とラグーンに挟まれた全長約98kmの砂州で、ニダはその中でも特に風光明媚な場所。白い砂丘、松林、静かな海辺が広がり、ハイキングやサイクリング、バードウォッチングに最適です。
穏やかで平和な雰囲気 ニダの人口は約1,500人ほど。喧騒から離れた落ち着いた雰囲気で、夏でも混雑しすぎることはなく、リラックスしたバカンスを楽しめます。
ユニークな建築と漁村文化 赤茶色の木造家屋に青や白の装飾が施された伝統的な建築が多く残っており、漁村としての面影も色濃く残っています。ニダには小さな港もあり、地元の新鮮な魚料理が楽しめます。
歴史と文化的背景
ドイツ領時代と文学の町 ニダはかつてドイツ領であり、1930年代には作家トーマス・マン(ノーベル文学賞受賞者)が夏を過ごした地として知られています。現在は彼の別荘が「トーマス・マン記念館」として一般公開されています。
クルシュー文化とのつながり ニダ周辺は古くからクルシュー人というバルト系民族が住んでいた地域で、独自の文化や言語を持っていました。その名残りは現在も民族博物館などで垣間見ることができます。
ソ連時代の変遷と復興 第二次世界大戦後はソ連の一部となり観光地としての発展は一時停滞しましたが、リトアニアの独立後に再び注目され、現在では国内外の観光客に人気のスポットとなっています。
観光スポット
パルンガ砂丘(Parnidis Dune) 目の前に広がる巨大な砂丘からは、バルト海とクルシュー・ラグーンの両方を見渡せる絶景が楽しめます。夕暮れ時の眺めは格別。
トーマス・マンの別荘 1930年に建てられたこの家は、今では博物館として一般公開されており、彼の創作活動の足跡や当時の暮らしを知ることができます。
ニダ灯台(Nida Lighthouse) 赤と白の縞模様が特徴的な灯台。ここからの景色も圧巻で、周囲の森林と海岸線を一望できます。
アクセス
ニダへは、リトアニア本土側の港町 クライペダ(Klaipėda) からフェリーでネリングス(Neringa)へ渡り、さらにバスで南下するルートが一般的です。少し手間はかかりますが、その分「秘境感」が味わえます。