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ベルリン国会議事堂(ライヒスターク)観光ガイドと歴史

ドイツ·

ベルリンの中心部、ブランデンブルク門のすぐ北に建つ 国会議事堂(ライヒスターク Reichstag) は、ドイツ連邦議会(Bundestag)の議場として使用されている建物です。現在はガラスのドームで有名な観光名所ですが、その背後にはドイツの激動の歴史が刻まれています。


国会議事堂の歴史

帝政ドイツとヴァイマル共和国

ライヒスタークは建築家パウル・ヴァロットの設計により1894年に完成しました。完成当時は「帝国議会(Reichstag)」の本拠地として使用され、ドイツ帝国(1871–1918)、続くヴァイマル共和国(1919–1933)の国会として機能しました。

ナチス政権と火災事件

1933年2月27日、建物で「国会議事堂放火事件」が発生します。この事件はアドルフ・ヒトラーが首相に就任してわずか1か月後の出来事で、ナチス政権が独裁体制を確立するきっかけとなりました。その後、建物は事実上使われなくなり、第二次世界大戦の爆撃で大きな損傷を受けます。

戦後と冷戦時代

戦後は荒廃が進みましたが、1970年代に部分的に修復され、ドイツ史を展示する博物館として利用されました。冷戦期、ベルリンの壁のすぐ近くに位置していたことから、象徴的な存在であり続けました。

再統一と復活

1990年、東西ドイツの再統一後、新しい連邦議会(Bundestag)の場としてライヒスタークが選ばれます。英国人建築家ノーマン・フォスターによる大規模な改修工事が行われ、象徴的なガラスのドームが再建されました。1999年には正式にドイツ議会の本拠地として再出発を果たします。

アートと環境への取り組み

1995年には現代美術家クリストとジャンヌ=クロードが建物を巨大な布で覆うアートプロジェクトを実施し、500万人以上が見学しました。 21世紀に入ると環境先進国ドイツを象徴する建物ともなり、屋上の太陽光パネルやバイオ燃料発電により、議会を100%再生可能エネルギーで運営する計画が進められています。

見学ガイド

  • 入場料:無料
  • 開館時間:ドームと屋上テラスは毎日8:00~24:00(最終入場21:45)
  • 休館日:12月24日、12月31日(16時以降)、その他清掃や点検時
  • 予約:事前のオンライン登録が必須(氏名・生年月日を入力)。当日枠はベルリン・パビリオン近くのビジターセンターで受付可能。

オーディオガイド

無料のオーディオガイドがあり、20分ほどで建物の歴史や周辺の名所を紹介。英語やスペイン語を含む11言語対応。子ども向けや視覚障害者向けの触覚模型、聴覚障害者向けのビデオガイドも用意されています。


観光の見どころ

  • ガラスのドーム:螺旋スロープを歩きながらベルリン市内を360度見渡せる絶景。
  • 議場の眺め:ドームの上から下にある連邦議会を見下ろすことができ、「市民に常に開かれた政治」を象徴。
  • ブランデンブルク門やティーアガルテン公園:周辺の観光名所とあわせて散策に最適。

Important

ベルリン国会議事堂は、帝国、ナチス、冷戦、再統一と、ドイツ近代史そのものを映し出す舞台でした。現在は「透明性の象徴」として一般公開され、観光と学びを兼ね備えた人気スポットです。

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